邦楽4人の会とクセナキス Yonin-No-Kai Tokyo & Xenakis
邦楽4人の会は、1957年モスクワで開かれた「世界民族楽器コンクール」において、第一位金賞を得た4人の尺八。箏演奏家によって結結成された(創設メンバー 北原篁山 菊地悌子 矢崎明子 後藤すみ子)。古典から現代までの作品を幅広く取り上げ、内外の作曲家への新作委嘱、世界各地での数々の公演など意欲的な活動を行った。東京での定期演奏会は1958年10月から2008年4月まで71回開催。
1985年邦楽4人の会は、フランスのアンジェ20世紀音楽祭でヤニス・クセナキス作曲の『入陽 «Nyūyō»』(尺八と三絃と2面の事のための)の世界初演を行なった。またモンペリエ、日本でも同作品を演奏した。
演奏 4人の会 北原篁山(尺八)後藤すみ子(三絃)高畑美登子(I 箏)高田育子(II 箏)
クセナキス自身のよる作品解説
入陽は尺八と三限と二つの箏のための作品である。入陽(夕陽)は邦楽4人の会とアンジェ20世紀音楽祭の委嘱により作曲し邦楽4人の会に献呈した。
入陽は私の音楽に対する4人の会の強い関心と、4人の会の演奏に私が魅了されたことから始まり、相互の希いから生まれたものである。
日本の伝統音楽は、常に生き続ける根源的なものを持ち、そのテクニックは私が不可能と思うことさえ可能にする。
私は入陽のなかで東洋の伝統と西洋の書法の融合をはかった。もちろんそれは一つの挑戦であり、私はそれに挑みたかった。
(1985年4月、パリ、ヤニス・クセナキス)
Notice
Nyūyō(1985) pour 1 shakuhachi, 1 saigne, 2 koto (durée : 10’ env.)
Yonin-No-Kai
Kozan Kitahara (shakuhachi )
Sumiko Goto (shamisen-luth à 3 cordes)
Mitoko Takahata (I koto)
Ikuko Takada (II koto)
Nyūyō ( soleil couchant) a été écrit à la demande du Festival d’Angers et de l’Ensemble Yonin-No-Kai de Tokyo, à qui cette œuvre est dédiée.
Nyūyō est né de l‘intérêt de l’Ensemble Yonin-No-Kai pour ma musique et de mon écoute passionné de leur jeu. L‘œuvre est donc née d‘un désir réciproque.
La musique traditionnelle du Japon est une source toujours vive et sa technique permet d‘aller plus loin dans ce qui est dit impossible.
J‘ai voulu tenter dans Nyūyō l‘alliage d‘une tradition d‘orient et d‘une écriture d‘occident. C‘est une sorte de défi et j‘ai voulu le relever.
avril 1985, Iannis Xenakis
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アンジェ20世紀音楽祭
1985年
6月30日 フォントヴロー修道院(世界初演)
7月01日 ジャン・リュルサ美術館
モンペリエとラジオフランス国際フェスティヴァル
1985年7月7日 オペラコメディ モリエールホール
アンジェ公演 批評記事
邦楽4人の会第48回定期演奏会
1986年3月5日 東京文化会館小ホール(日本初演)